マニピュレータ

マニピュレータは、選択した図形をすばやく移動、回転、尺度変更、ミラー化できる汎用グリップツールです。動作開始時に Ctrlを押しながら操作すると、元の図形が保持され、コピーが作成されます。図形を選択すると、マニピュレータはユーザーがコントロールした位置と方向に表示されます。位置と向きは、ダイナミック UCS と同様の方法でコントロールされます。複数の図形が同時に選択された場合、マニピュレータは最初はそれぞれの図形の幾何学的な中心に配置されます。選択範囲を段階的に拡大していくと、マニピュレータの初期位置は維持されます。マニピュレータは、ハンドルを使って任意の位置や方向に簡単に直接移動できます。

操作方法によりますが、ダイナミック寸法がアクティブな場合は、距離、角度、または尺度係数を設定するためのダイナミック入力フィールドが利用可能です。

アダプティブスナップステップ

SNAPTYPE = 2の場合のスナップステップサイズが自動的にカレントの画面のズーム倍率に適合します。 AdaptiveGridStepSize 設定は、最小の利用可能なステップサイズをコントロールします。アダプティブステップサイズは、マニピュレータルーラーのステップサイズを動的に調整するためのもので、数値を入力することなく、正確な値で素早く図形を修正することができます。

マニピュレータの設定

マニピュレータの設定は、設定ダイアログボックスのプログラムオプション > マニピュレータにあります。

マニピュレータが表示されている状態で右クリックをして、コンテキストメニューからマニピュレータ設定を選択します。

マニピュレータのレイアウト

マニピュレータのコンテキストメニューにあるクラシックカラーにチェックを入れると、クラシックレイアウトが表示されます。デフォルトのレイアウトにしたい場合は、このオプションのチェックを外します。

デフォルト クラシック

4つのハンドル

  • 1: マニピュレータハンドル
  • 2:軸ハンドル

12のコマンドを動作させるゾーン

  • 3:軸
  • 4:矢頭
  • 5:平面スウォッチ
  • 6:アーク回転

現在の表示が平面図のように座標系の主軸の1つに平行である場合、マニピュレータは2Dバージョンに簡略化されます。



マニピュレータの表示位置と方向

3Dマニピュレータの初期位置と向きは、次の項目によって決まります。

  • 図形の種類
  • 図形をクリックしたポイント
図形タイプ 選択 マニピュレータ - アンカーポイント マニピュレータ - 向き
線分 端点の近く 端点 他方の端点を通るX軸
線分 中点の近く 中点 最も近い端点を通るX軸
ポリライン線分セグメント 頂点の近く 頂点 選択した線分セグメントの反対側の頂点を通るX軸
ポリライン線分セグメント セグメント中点の近く セグメント中点 最も近い頂点を通るX軸
ポリライン円弧セグメント 円弧セグメント上 円弧の中心 最も近い頂点を通るX軸
円弧 ランダム 円弧の中心 最も近い端点を通るX軸
ランダム 円の中心 現在の座標系のX軸と平行なX軸
スプライン ランダム 最も近い端点 反対側の端点を通過する方向
リージョン 線分セグメント上 線分セグメントの最も近い端点 他方の端点を通るX軸
リージョン 円弧セグメント上 円弧セグメントの中心 円弧セグメントの最も近い端点を通るX軸
文字、マルチテキストブロック、外部参照 ランダム 図形の原点 図形の回転角度におけるX軸
3Dソリッド

3Dソリッド 3Dソリッド面

ソリッド面上 最も近い頂点 最も近いエッジに沿ったX軸

選択した面のXY平面

複数の図形 ランダム 選択セットの幾何的中心 現在の座標系の軸と平行

* 3Dソリッド面またはソリッド全体を選択する方法については、選択モードをご参照ください。

** 選択セットに図形を追加しても、マニピュレータの位置は変わりません。

マニピュレータの表示

MANIPULATORシステム変数の値は、以下の選択に基づいて、マニピュレータが自動的に表示されるタイミングをコントロールします。

  • 0:マニピュレータを表示しない
  • 1:図形が選択されたときにマニピュレータを表示
  • 2:マウスの左ボタンをMANIPULATORDURATIONシステム変数で指定された値より長く押したときにマニピュレータを表示

複数の図形を選択してマニピュレータを表示するには:

  • 図形を1つずつ選択するか、窓選択を使い一括選択して、クリックして最後の図形を選択します。
  • MANIPULATORの値を設定します。
  • 選択セットを作成して、 MANIPULATEコマンドを起動します。

マニピュレータを移動する

以下のいずれかの操作を行います:

  • マニピュレータ上の任意の場所で長押しして、新しい場所に移動します。

  • MANIPULATORHANDLE = 0:マニピュレータハンドル(1)をクリックし、新しい場所に移動します*。

    アンカーハンドルが目立つので、図形グリップと重ならないようになっています。

  • MANIPULATORHANDLE = 1:*マニピュレータハンドル(1)を長押しして新しい場所に移動します。

  • マニピュレータの上にカーソルを置き、右クリックをして、コンテキストメニューで移動を選択して、*新しい場所に移動します。

*図形スナップを使用して新しい場所を指定します。

マニピュレータを回転させる

軸ハンドルの1つ(2)をドラッグしてマニピュレータを回転させます。ポイントを選択するか、ダイナミック入力フィールドに値を入力して回転角度を指定します。

Shiftを押して、マニピュレータを法線軸を中心に90度回転させます。(Z軸)

方向変更マニピュレータ

  1. マニピュレータの上にカーソルを置き、右クリックをして、コンテキストメニューで 方向変更マニピュレータを選択します。

    プロンプト表示:マニピュレータの原点を指定:

  2. 1点を指定します。

    マニピュレータのアンカーポイントを指定した位置に配置します。

    プロンプト表示:X軸上を指示 または <Accept>:

  3. 1点を指定します。

    マニピュレータはX軸を中心に回転します。

    プロンプト表示:XY-平面上のYの正方向を指示 または <Accept>:

  4. ポイントを選択して、マニピュレータの新しい位置を定義します。

マニピュレータを座標系に整列させる

マニピュレータの上にカーソルを移動し、右クリックして、コンテキストメニューでオプションを選択します。

  • WCSで整列 :マニピュレータの軸が強制的にワールド座標系の対応する軸と平行になります。
  • UCSで整列:現在オンにしている座標系がUCSである場合、マニピュレータの軸が強制的にUCSの対応する軸と平行になります。

マニピュレータをソリッド面と整列させる

この操作をするにはダイナミックUCS(DUCS)がONでなければなりません。

  1. マニピュレータの上にカーソルを置き、右クリックし、コンテキストメニューで 移動を選択します。
  2. ソリッドの面にカーソルを合わせます。

    マニピュレータのXY面がカーソルの下のソリッド面に揃えられます。

  3. 以下のいずれかの操作を行います:
    • 選択した面上またはその端の1つに点にスナップします。
    • Shiftを押してXY面を選択した面に固定し、面の外の点にスナップします。