生成された図面ビュー

図面ビューの生成機能によって、3Dソリッドモデルの正射投影ビューと標準のアイソメトリックビュー(等角投影図)が自動的に生成されます。図面ビューはすべてペーパー空間レイアウトに配置され、モデル空間で見ることはできません。

解析陰線消去(HLR)処理は、線分や弧など標準2D図形で図面ビューを作成するときに使用します。 FLATSHOTコマンドの場合と同様、V14.1で作成された図面ビューは VIEWUPDATEコマンドによって自動的にHLRジオメトリに変換されます。



VIEWBASEコマンドは、3Dソリッドモデルの正射投影および標準のアイソメトリックビューをペーパー空間レイアウトに生成します。

VIEWSECTIONコマンドは、 VIEWBASEコマンドでペーパー空間レイアウトに生成した標準図面ビューから断面ビューを作成します。

VIEWSECTIONSTYLE コマンドを使い、VIEWSECTION コマンドで作成した断面ビューの外観を変更することができます。

VIEWPROJ コマンドは、生成された既存の図面ビューから追加の投影ビューを生成します。

VIEWDETAIL コマンドは、生成された標準図面の一部を拡大した詳細ビューを作成します。

VIEWDETAILSTYLE コマンドを使い、VIEWDETAIL コマンドで作成した詳細ビューの外観を変更することができます。

VIEWUPDATEコマンドは、VIEWUPDATEAUTO=0の時、VIEWBASEとVIEWSECTIONで取得した図面ビューの選択を更新します。

VIEWEXPORT コマンドは、 VIEWBASE と VIEWSECTION で作成した図面ビューの内容を図面のモデル空間へエクスポートします。このコマンドはペーパー空間でのみ使用できます。

VIEWEDIT コマンドを使い、図面ビューの尺度を変更したり、隠線の表示/非表示を切り替えることができます。

3Dソリッドモデルから図面ビューを生成するツールは、以下から使用できます。

  • モデル - 図面ビューメニュー。
  • 断面種類と詳細ビュータイプツールバー。
  • 注釈リボンタブ(メカニカルワークスペース)の図面ビューパネル。

標準図面ビュー

標準ビューには、マルチビューの正射投影およびアイソメトリック投影があります。

マルチビューの正射投影図法は、技術図面上に一つのオブジェクトに対して最大6つの画像を生成する技法で、それぞれの投影面はオブジェクトの座標軸の一つに平行になります。

アイソメトリック投影図法(等角投影法)は、技術エンジニアリング図面上に3次元のオブジェクトを2次元で表す技法で、アクソノメトリック投影図法(軸測投影法))の一種です。3つの座標軸が等しく縮小され、軸同士の間の角度はいずれも120度になります。

3Dソリッドモデルの標準ビューを生成したい時は、モデル空間で VIEWBASE コマンドを実行します。

第一角法投影(ヨーロッパ)または第三角法投影(米国)のいずれかを選択します。

正射投影(直交投影)は3次元のオブジェクトを2次元で表す手法で、平行投影の一種です。すべての投射線分が投射面に対して直交するため、画面上のあらゆる面がアフィン変換されて表示されます。さらにマルチビューの正射投影やアクソノメトリック投影に分割されます。

水平(H.P.)と垂直(V.P.)の2つの投影面が、3D空間を4分割しています。

  • 第一角法投影では、モデルは4分割の1つ目(第一角)に置かれます
  • 第三角法投影では、モデルは4分割の3つ目(第三角)に置かれます


マルチビュー正射影では、3Dモデルの座標軸に平行な投影面を最大6面まで作成することができます。これらのビューは、第1の角度または第3の角度で投影されるという2つの方式に従って、互いに相対的に配置されます。それぞれのビューの見え方は、モデルを囲むボックスの6つの面に投影されていると考えることができます。ボックスを展開すると、すべてのビューが2Dの図面として整理されます。



投影タイプは、 VIEWBASE コマンドで投影タイプを選択するか、 PROJECTIONTYPE システム変数を編集することで設定します。

  • 0 = 第一角法投影
  • 1 = 第三角法投影

PROJECTIONTYPE システム変数の値は図面に保存されます。

生成された図面ビューの線分はデフォルトの画層に作成されます。

  • BM_Isometric_Hidden
  • BM_Isometric_Visible
  • BM_Ortho_Hidden
  • BM_Ortho_Visible

デフォルトでは、 BM_Isometric_Hidden 画層は非表示にされています。

投影ビューを VIEWPROJ コマンドで追加することができます。投影ビューには、親ビューから尺度、表示設定、アライメントが継承されます。

断面ビューの生成

断面とは、3Dソリッドモデルと断面平面の交点のことです。技術図面では、3Dモデルの内部を断面でハッチングしています。

3Dソリッドモデルの断面図を作成するには、標準的な図面ビューが配置されているペーパー空間のレイアウトからVIEWSECTIONコマンドを実行します。



特別なビュー



選択した分解表現を展開するために図面ビューを生成することが可能です。通常、正射影は、そのために使用されます。しかし、BricsCADは分解表現するための任意の標準的な投影を作成することが可能です。断面と詳細ビューにも対応しています。

分解表示のためのビューを作成するには、VIEWBASEコマンドを特別なビュー オプションで実行し、分解ビューオプションを選択して、ダイアログボックスから必要な分解表示を選択します。

分解された表示用に生成されたビューは、元のモデルと関連する場合があるので、注釈とビューを置くことができます。これを行うには、ビューが GENERATEASSOCVIEWS = ONで作成または更新する必要があります。

図面ビューの更新

デフォルトでは、以下の場合にBricsCADは元の3Dソリッドモデルが変更されたか確認し、自動的に図面を再計算します。

  • VIEWUPDATEAUTOシステム変数がオンの時、無効のビューが含まれたペーパー空間レイアウトを開く
  • VIEWUPDATEコマンドを実行する
  • BMUPDATEコマンドを実行する
Note:
  • 複雑な3Dモデルの場合、隠線消去の計算には少し時間がかかるかもしれません。そのような時は VIEWUPDATEAUTO をオフに設定してください。無効な図面ビューのビューポートの境界線が赤色で表示され更新が必要なことを示します。 VIEWUPDATE コマンドを実行すると、BricsCADはその図面ビューのみを更新するか、あるいはすべての図面ビューを更新するか選択を指示します。
  • GENERATEASSOCVIEWS = オンの場合、変更後の3D形状に従い 関連寸法 が更新されます。

ビューをモデル空間にエクスポートする

ペーパー空間のレイアウトにおける図面ビューの関連付けメカニズムは、ユーザーが一部コントロール可能です。図面ビューは移動、尺度変更はできますが形状の編集はできません。図面ビューの形状をフルコントロールするには、VIEWEXPORTコマンドで図面ビューをモデル空間か他の図面へ移動/コピーします。書き出しされた図面ビューは、その3Dモデルとの関連付け情報は失われて標準ブロックとなり、分解、編集、削除等が可能になります。

図面ビューのカスタマイズ

VIEWBASE コマンドの最初の起動では、新たに4つの画層が作成されます。

  • BM_Ortho_Hidden:図面ビューで非表示にされる線分:
  • BM_Ortho_Visible:図面ビューで表示される線分:
  • BM_Tangent_Hidden:図面ビューで非表示にされる接線:
  • BM_Tangent_Visible:図面ビューで表示される接線:

すべてのビューまたは選択したビューの画層の表示を変更するには、 VIEWEDIT コマンドを使用します。

  • 図面ビューの表示を修正するには、線種、線の太さ等、画層のプロパティを編集します。
  • スタイル、色、識別子の文字高さ等の、断面ビューの異なるプロパティを調整する場合、 VIEWSECTIONSTYLE コマンドを使用します。
  • 開始と終点のシンボル、色、サイズ、矢印の方向、パターン、ハッチングの角度
  • 切断面を表す線の色、種類、太さ

以下のような詳細ビューのさまざまなプロパティを調整するには、 VIEWDETAILSTYLE コマンドを使用します。

  • スタイル、色、識別子の文字高さ、識別子の種類
  • シンボル、シンボルの色とサイズ
  • 境界線の色、タイプ、線の太さ