モデル空間とペーパー空間

BricsCADで作図を始めるときの最初の作業領域はモデル空間と呼ばれています。モデル空間は、ワールド座標系(WCS)やユーザ座標系(UCS)で二次元あるいは三次元モデルを作成するための作業領域です。[モデル] タブを使用している間は、モデル空間で作業している事になります。

基本的には、モデル空間は画面全体に表示される単一のビューで構成されます。必要に応じて、ビューポートと呼ばれる追加のビューを作成できます。これにより、図面または3Dモデルのさまざまなビューを表示できます。すべてのビューポートはタイルを並べるように表示されます。一度に作業できるのはビューポートの1つだけですが、すべてのビューポートは同時に更新されます。ビューポートをクリックすると、現在のビューポートになります。また現在のビューポートのみを印刷できます。 VPORTSコマンドを使用すると、モデル空間でビューポートを管理できます。

BricsCADはペーパー空間と呼ばれる作業領域を提供しています。ペーパー空間は図面のペーパーレイアウトを表しています。この作業領域では、1枚の紙に図面を配置するのと同じように、図面のさまざまなビューを作成して配置できます。ペーパー空間では、モデル空間に表示させたくないキーノート、注釈、境界、タイトルブロック、その他の印刷関連図形などを追加することができます。

各図面には少なくとも1つのレイアウトがあり、その中に1つ以上のレイアウトビューポートを含めることができます。レイアウトビューポートは、作図した図面(モデル空間の図形)表示するための領域です。ペーパー空間ではレイアウトビューポートを自由に配置することができます。各レイアウトビューポートに、スケールや画層の可視性を設定でき、異なる尺度、表示の図面を1つのレイアウトに配置することができます。同じレイアウトのすべてのビューポートを同時に印刷できます。

MVIEWコマンドを使用すると、ペーパー空間でビューポートを管理できます。

図面を印刷するためには必要でなくとも、ペーパー空間は多くの利点があります。

  • 複数のレイアウトを作成して、ペン幅、プリンター設定ファイル、線の太さ設定、図面の尺度など、さまざまな印刷設定で同じ図面を印刷します。
  • キーノート、注釈、タイトルブロックなどモデルそのものには必要でない印刷関連の図形を追加します。
  • 単一のレイアウトの場合、複数のレイアウトビューポートを作成して、図面の複数のビューをさまざまな縮尺で印刷します。

モデル空間とペーパー空間の切り替え

  • モデル空間とペーパー空間を切り替えるためには、図面ウインドウの下にある [モデル][レイアウト] タブを使います。
  • [レイアウト]で作業しているとき、ペーパー空間のビューポートからモデル空間にアクセスすることができます。
    • ビューポート内をダブルクリックすると、モデル空間にアクセスできます。ビューポートの外側でダブルクリックすると、ペーパー空間に戻ります。
    • ステータス バーのビューポートモードの切替[P:レイアウト/M:レイアウト] フィールドをクリックして、ワークスペースを切り替えます。この方法は、ビューポートの外側をクリックできない場合に使用する必要があります。
    • MSPACEコマンドと PSPACEコマンドを使用します。これらのコマンドは、ステータス バーのビューポートモードの切替[P:レイアウト/M:レイアウト] フィールドの右クリックコンテキストメニューで利用できます。

レイアウトタブの使い方

  • アクティブなタブの名前が太字で表示されます。
  • 左側のナビゲーションボタンをクリックして切り替えます。
  • レイアウトタブをドラッグして順番を変えることができます。
  • ナビゲーションボタンと[モデル] タブの間にあるボタンをクリックすると、[レイアウト管理] のダイアログボックスが開きます。
  • レイアウトタブを右クリックすると、コンテキストメニューが表示されます。
    • 新規:新しいレイアウトを作成します。
    • テンプレートより...:別の図面からレイアウトをインポートします。
    • 名前変更:レイアウトの名前を変更します。
    • コピー:レイアウトのコピーを挿入します。
    • 右へ移動/左へ移動:レイアウトを移動します。
    • 書き出し...:レイアウトを新しい図面にエクスポートします。