BricsCAD V21の3Dモデリングツールでは、モデリングプロセスの簡素化や自動化をサポートする多くの機能強化が提供されています。
ダイナミックUCS
PLANコマンドでダイナミックUCSがサポートされるようになりました。これにより、カレントのUCSの面を選択し、すぐに平面ビューで表示できます。
ダイレクトモデリング
ねじ
新しいコマンドDMTHREADを使用して、3Dソリッドの円柱面にパラメトリックな標準ねじを追加できます。メカニカルブラウザで、ねじのプロパティを編集できます。
VIEWBASE、VIEWPROJ、またはVIEWSECTIONコマンドを使い作成した作図ビューに、製図規格に準拠したねじが表示されます。下図に、ねじを追加する前と後の円柱を示します。
面取り
DMCHAMFERコマンドでは、非対称、角度、可変対称、可変非対称、可変角度など新しいモードが提供されており、より柔軟に作業を行えます。
フィレット
DMFILLETコマンドに可変半径モードが新しく追加され、より柔軟に作業を行えます。
プッシュ/プル
DMPUSHPULLコマンドには除外モード(オン/オフ)を指定するオプションがあり、これはDMPUSHPULLSUBTRACTの設定によっても制御されます。
また、円柱面のダイナミック寸法の始点を切り替えることもできます。Tabキーを押すと、半径寸法とオフセット寸法が切り替わります。
分割ビュー
新しいコマンドVIEWBREAKを使用すると、VIEWBASE、VIEWPROJ、またはVIEWSECTIONコマンドで作成した3Dモデルの関連図面ビューを分割して、分割記号を自動的に含めることができます。[プロパティ] パネルで、選択した分割ビュー記号の外観を変更できます。VIEWBREAKコマンドは、分割前に作図ビューに配置した寸法に正しく対応します。これらの寸法では、3Dモデルと作図ビューとの関連付けが維持されます。
3D図形スナップ
F4ファンクションキーを押すと、3D図形スナップのオン/オフを簡単に切り替えることができます。
3Dポリライン
3Dポリラインの頂点が、サブ図形の選択、[プロパティ] パネル、最短距離でサポートされるようになりました。
3Dポリラインがさらに機能強化され、頂点とエッジに3D拘束を適用できるようになりました。
パラメトリックブロック化
新しいコマンドPARAMETRICBLOCKIFYを使用して、モデル図形をパラメトリックブロックにすばやく変換できます。パラメトリックブロックまたはパラメトリック化された図形を入力ジオメトリとして選択し、図面内の他のジオメトリと比較します。一致するジオメトリが自動的にパラメトリックブロックに変換されます。
3D表示
マテリアルの光沢が調整され、光沢のあるマテリアルであっても図形の詳細を識別しやすくなりました。光沢エフェクトは、明るいマテリアルでは弱めになり、暗いマテリアルでは強めになります。
ソリッドとメッシュ
メッシュに変換
CONVTOMESHコマンドは、必要な場合のみ平面を三角化し、また面の数を可能な限り少なく抑えるよう最適化されています。下図の例では、元のソリッド(左)をBricsCAD V20(中央)とBricsCAD V21(右)でメッシュに変換しています。
ソリッドに変換
CONVTOSOLIDコマンドを使用すると、新しいSMOOTHMESHCONVERTの設定に基づき最適化された3Dソリッドにメッシュを変換できます。
[最適化] に設定すると、同一平面上および隣接する面が 1 つの面に結合されます。下図の例では、元のメッシュ(左)をBricsCAD V20(中央)とBricsCAD V21(右)でソリッドに変換しています。
メッシュのプロパティ
[プロパティ] パネルでは、選択したメッシュ図形の追加プロパティにアクセスできます。滑らかさを指定できる機能など、メッシュとジオメトリのプロパティがメッシュ図形に含まれるようになりました。
[プロパティ] パネルでは、面、エッジ、頂点などのメッシュサブ図形もサポートされており、さまざまなレベルの折り目を適用できます。
自動調整データ
新しいGENERATEASSOCATTRSの設定で、モデリング時の3Dソリッドに関する自動調整データの生成を制御します。[オン] に設定すると、3Dソリッドに作成時点からの自動調整データが含まれます。これにより、BIMSECTIONUPDATEおよびVIEWBASEコマンドを使用して、3Dモデルに変更を加えたときに寸法とタグを自動的に更新できる図面を作成することができます。
ツイストを表示
-VIEWコマンドに [ツイスト] オプションが追加されました。
アニメーション編集
アニメーション編集機能が強化され、モデル空間で分解ビューのアニメーションがサポートされるようになりました。
点群
BricsCAD V21では、点群機能が大幅に迅速化され、強力になりました。
前処理
前処理がサポートされているファイルにE57ファイル形式が追加されました。
前処理を行う必要がある点群をアタッチすると、BricsCAD V21ではV20よりも5~8倍の処理速度で変換されます。画面下部にある進行状況メーターに、変換の進行状況が表示されます。
[位置合わせ]
新しいコマンドPOINTCLOUDALIGNは、点群を自動的に回転させ、X軸とY軸に最適に位置合わせします。最適な位置合わせを決定するため、点群全体をシステムに解析させるか、最も関連性の高い領域を指定します。
バブルビューア
点群では、すべてのスキャン位置にバブルが表示されます。これらの位置は、最もリアルな視覚表現を得られる箇所です。
モデル空間でバブルの1つをダブルクリックして、バブルビューアを開きます。マウスの中央ボタンを押してカーソルを動かすと、スキャン位置から任意の方向の点群を表示できます。
Tabキーを押すと、3 種類の表示モードが切り替わります。
1番目のモードでは、データのスキャン方法に応じて、ポイントが実際の色またはグレースケールで表示されます。
2番目のモードでは、法線ベクトルに従って、ポイントが赤、緑、または青で表示されます。色はUCS軸に対応しています。
3番目のモードは、スキャン位置からの距離が大きくなるにつれて、明から暗へポイントを表示します。
Ctrl + Aを押すと、バブルビューアに合わせて作図ビューを簡単に同期することができます。
図形スナップ
新機能 [点群の近接点] 図形スナップを使用すると、関連する点群を選択する操作が大幅に向上します。現在の視点からカーソルに向かって仮想円柱を使用します。
仮想円柱の半径は、[図形スナップの吸着範囲] を設定して定義します。
図形スナップメニュー、ツールバー、設定で、他の3D図形スナップとともに新機能 [点群の近接点] 図形スナップを有効にします。
書き出し
新しいコマンドPOINTCLOUDEXPORTを使用すると、切り取った点群の選択を.ptsファイルに書き出すことができます。