ハッチングとグラデーションの作成
HATCHコマンドは、図面上の囲まれた領域全体をパターンで塗り潰します。
GRADIENTコマンドは、9つのパターンと1色または2色でソリッドの塗り潰しを作成します。
円や閉じたポリラインなど1つの図形に使用でき、また複数の図形を選択して囲んだ領域にも使用できます。
ハッチングを作成するには、境界を形成する閉じた領域の内側をクリックするか、複数の図形を選択します。
- パターンによっては、ハッチングはメモリを消費するため、作図と表示にかなりの時間を要する場合があります。パフォーマンスを向上させるには、図面を作成する際に最後のステップのひとつとしてハッチングを追加するか、ハッチングを別の画層に挿入して、図面の作業を続けながらフリーズしておけるようにします。また、FILLMODEシステム変数を使って、ハッチ、グラデーションフィル、塗り潰した図形の表示をオフにすることもできます。
- ダッシュの最大数は、MAXHATCH設定変数でコントロールされます。ダッシュの数が現在のMAXHATCHの値よりも多い場合、ハッチの作成はできません。警告ボックスには、その後のアクションの選択肢が表示されます。ダッシュの最大数の初期値は100000です。
- ハッチング図形に含めることができ、現在もレンダリングできる等高線(アウトライン)上の点の最大数は、HPMAXOUTPOINTS設定変数によってコントロールされます。ポイント数が指定された値を超えると、ハッチングはレンダリングされません。0~10000000までの値が指定可能です。この変数のデフォルト値は100000です。0に設定すると、チェックが無効になります。つまり、変数は使用されません。


ハッチングツールとグラデーションツールには、以下のようなものがあります:
- 作成メニュー
- 作成ツールバー
- 作成リボンパネル
- クワッド(図形未選択)の作成タブ(ハッチングのみ)
一般的な手順
- HATCHコマンドまたはGRADIENTコマンドを起動します。
ハッチングとグラデーションダイアログボックスが表示されます。
- 以下のいずれかの操作を行います:
- (オプション)ハッチングタブをクリックしてハッチングを作成し、ハッチングのプロパティを設定します。
- (オプション)グラデーションタブをクリックしてグラデーションを作成し、グラデーションのプロパティを設定します。
- ハッチングやグラデーションのプロパティを設定します。
- ハッチングまたはグラデーションの境界を選択します。
- オプションを設定します。
- OKボタンをクリックして、ハッチングまたはグラデーションを作成します。
ハッチやグラデーションは、HPLAYERシステム変数で定義された画層に作成されます。デフォルト=カレント画層。
ハッチングプロパティの定義
- ハッチングとグラデーションダイアログボックスでハッチングタブを選択します。
- (オプション)プロパティを継承をクリックします。
ハッチングとグラデーションダイアログボックスが一度閉じます。
プロンプト表示:プロパティのコピー元のハッチング図形を選択:
ハッチング図形を選択します。
ハッチングとグラデーションダイアログボックスが再び表示され、選択したハッチング図形のプロパティが表示されます。
- (オプション)パターンの種類を選択します。
- ユーザー定義- ダイアログボックスに設定されているパターンを、角度、間隔、クロスハッチのオプションとともに使用します。
- 定義済み - 以下の定義パターンを使用します:
- iso.pat(メートル法 - MEASUREMENT=ON)
- default.pat(インチ法 - MEASUREMENT = オフ)
- カスタム - *.patファイル(ファイル毎にパターン定義)で定義されているパターンを使用します。
BricsCADはSRCHPATHシステム変数で定義されたファイルサーチパスのフォルダー中の*.patファイルを検索します。
- パターンの種類が定義済みまたはカスタムの場合:
- 見本フィールドをダブルクリックします。
- パターン名をハッチングパターンパレットで選択し、パターンをダブルクリックするか、OKをクリックします。
- 尺度変更フィールドに尺度を入力するか、ドロップダウンリストから尺度を選択します。
- 角度寸法フィールドに角度を入力するか、ドロップダウンリストから角度を選択します。
- パターンの種類がユーザー定義の場合:
- 間隔を図面の単位で指定します。
- クロスハッチングオプションを設定します。
- ハッチングの原点を設定します。
オプションは以下の通りです:
- カレントの原点を使用 : HPORIGINで定義された原点が再利用されます。
- 指定原点 : 新規原点をピックをクリックして、図面上の点を選択してください。新しい原点はHPORIGINシステム変数に格納されます。
- ハッチングパターンに色を設定します。
- 背景色を設定します。
グラデーションプロパティの定義
- ハッチングとグラデーションダイアログボックスでグラデーションタブを選択します。
- (オプション)1色ラジオボタンを選択すると、「白を混ぜた」または「黒を混ぜた」グラデーションを作成します。
- ほかの色を選びたい場合は、色タイルをクリックして色ダイアログボックスを開きます。
- 指定した色に、白か黒かどちらのグラデーションを作成するかは、色スライダーで設定します。
色スライダーは、マウスの左ボタンを長押しすると動かすことができます。
「白の混ざった」グラデーションを作成するには、スライダーを右へ動かします。
「黒の混ざった」グラデーションを作成するには、スライダーを左へ動かします。
- (オプション)2色ラジオボタンをクリックすると、「2色」によるグラデーションを作成することができます。
- それぞれの色タイルをクリックして色ダイアログボックスを開き、色を選択します。
- 9つのグラデーションパターンの中から1つを選択します。
選択肢は以下の通りです:直線形、円柱形、反転シリンダ、球形、半球、曲線、反転球、反転半球、反転曲線。
- (オプション)中心:中心を選択すると、グラデーションは左右対称に作成されます。選択しないと、グラデーションは境界線の左側から作成されます。
- 角度:現在のUCSに対するグラデーションの角度を指定します。
境界の定義
- 境界のオプションを選択します。
- 島の検出オプションを選択します。
これは、ハッチングの境界線の内側にある密閉された領域にも適用されます。
- 境界許容差を設定します。この値は、境界の最大ギャップサイズを定義します。「0」に設定すると、BricsCADは現在のビューサイズを基準にして許容範囲を設定します。ズームアウトすると許容範囲が広がります。
この値はHPGAPTOLシステム変数によって保存されます。
- (オプション)選択ボタンをクリックして、 境界設定を選択します。
ハッチとグラデーションダイアログボックスが一度閉じたら、図形を選択します。
HATCH[ハッチング]またはGRADIENT[グラデーション]のコマンド起動時に選択セットがアクティブだった場合、その選択セットが境界設定に使用されます。その場合、 ハッチングとグラデーションダイアログボックスが閉じ、選択ボタンをクリックするとすぐに開きます。
- 以下のいずれかの操作を行います:
- 境界内の点を指示ボタンをクリックします。
ハッチングとグラデーションダイアログが閉じます。
プロンプト表示:境界またはハッチング領域を指定するための点を選択:
- ハッチングを作成したい領域内の点を指定します。
プロンプト表示:境界またはハッチング領域を指定するための点を選択:
- 右クリックまたはEnterを押すと、領域の追加を終了します。
ハッチングとグラデーションダイアログボックスが再び表示されます。
- ハッチングを作成したい領域内の点を指定します。
- 境界図形を選択ボタンをクリックします。
ハッチングとグラデーションダイアログが閉じます。
プロンプト表示: 図形を選択:
- ハッチングを作成する図形を選択します。
- 右クリックまたはEnterを押すと、図形の選択を終了します。
ハッチングとグラデーションダイアログボックスが再び表示されます。
- 境界図形を削除ボタンをクリックします。
ハッチングとグラデーションダイアログが閉じます。
プロンプト表示: 図形を選択:
- 選択から削除したいカレントの境界図形を選択します。
- 右クリックまたはEnterを押すと、図形の選択を終了します。
ハッチングとグラデーションダイアログボックスが再び表示されます。
- 境界内の点を指示ボタンをクリックします。
オプションを設定
- 異尺度対応オプションを選択すると、異尺度に対応したハッチングを作成します。
- 関連付けオプションを選択すると、ハッチングを境界に関連付けることができます。
- 分割ハッチングを作成オプションを選択します。複数の境界が検出されたり、複数の図形を選択している場合、1つのハッチングではなく別々のハッチングとして作成します。
- 表示順序オプションを選択します。
このオプションは、図面を閉じて再び開くと、境界の背面へにリセットされます。
- 画層:既存の画層を選択するか、カレントを使用(デフォルト)を選択します。
- 透過性:0~90の値で透過性を設定します。