寸法拘束の使用
寸法拘束は、2D図形の寸法を制御します。
- 水平方向の距離(1) (DCLINEARコマンド、DCHORIZONTALコマンド)
- 垂直方向の距離(2) (DCLINEARコマンド、DCVERTICALコマンド)
- ポイント間の距離、または線とポリラインセグメントの長さ(3) (DCALIGNEDコマンド)
- 円弧、円、円弧ポリラインセグメントの半径(4) (DCRADIUSコマンド)
- 円弧、円、円弧ポリラインセグメントの直径(5) (DCDIAMETERコマンド)
- 図形間、または点と図形間の角度(6) (DCANGULARコマンド)
寸法拘束の編集
寸法拘束は以下の方法で編集できます:
- プロパティパネル
- メカニカルブラウザパネル
- パラメータマネージャーパネル
- DDEDITコマンドを使用
プロパティパネルでの寸法拘束の編集
-
寸法拘束を選択します。
寸法のプロパティがプロパティパネルに表示されます。
-
表記フィールドに新しい値または式を入力し、Enterを押します。
それに応じて、値フィールドの読み取り値が変わります。
-
(オプション)名前フィールドを編集します。
-
(オプション)説明フィールドを編集します。
-
(オプション)文字の回転フィールドを編集します。
-
中止するには、Escを押します。
メカニカルブラウザパネルでの寸法拘束の編集
-
まだ開いていない場合は、メカニカルブラウザパネルを開きます。
-
パラメータリストで寸法拘束の名前を選択します。
選択したパラメータのプロパティがメカニカルブラウザパネルの下部に表示されます。
-
(オプション)名前フィールドを選択して新しい名前を入力します。
-
(オプション)表記フィールドを選択して新たに値または式を入力します。
-
(オプション)説明フィールドを選択して新たに説明を入力します。
-
(オプション)公開フィールドを設定し、BMINSERTコマンドで図面を別の図面に挿入したときのパラメータの公開を指定します。
オプションは以下の通りです:- リセット:リセットされます。
- オン:パラメータは常に公開されます。
- オフ:パラメータを公開しません。
-
(オプション)単位プロパティを設定します:長さ、面積、体積
フィールドを選択し、下向き矢印ボタンをクリックして、オプションを選択します。
DDEDITコマンドを使用
-
以下のいずれかの操作を行います:
- 寸法拘束をダブルクリックします。
- DDEDITコマンドを起動します。
プロンプト表示:_DDEDIT
文字編集ダイアログボックスが表示されます。
-
文字フィールドに新しい値を入力し、Enterを押すか、OKボタンをクリックします。
-
(オプション) 別の寸法拘束をクリックして、前の手順を繰り返します。
-
以下のいずれかの操作を行います:
-
続けて寸法拘束を編集します。
-
Enterを押すか、右クリックして停止します。
編集されたすべての寸法拘束は同時に更新されます。
-
寸法拘束の表示の設定
図面を閉じて再度開くと、寸法拘束が非表示になります。
- 寸法拘束ツールバー
- パラメトリックメニューバー
- パラメトリックリボンタブの2D寸法拘束フライアウトメニュー
これらのツールは、特定のオプションを使用してDCDISPLAYコマンドを実行します。
オプションは以下の通りです:
- 表示/非表示:図形を選択するように求められます。
- すべてを表示:図面内のすべての幾何拘束を表示します。
- すべてを非表示:図面内のすべての幾何拘束を非表示にします。
-
DYNCONSTRAINTMODEシステム変数は、図形を選択するときに非表示の寸法拘束の表示を制御します。
- オン:拘束図形を選択したときに非表示の寸法拘束を表示します。
- オフ:拘束図形を選択したときに非表示の寸法拘束を表示しません。
-
寸法拘束のある図形にカーソルを合わせると、SELECTIONPREVIEWシステム変数が1または3に設定されている場合、またはクワッドがアクティブな場合に、青い拘束グリフ()が表示されます。
式を使用して寸法拘束を定義
寸法拘束は、作成時に自動的に名前が付けられます。
命名のルールは以下の通りです:
- 距離:d1, d2, d3, ...
- 半径:rad1, rad2, rad3, ...
- 直径:dia1, dia2, dia3, ...
- 角度:ang1, ang2, ang3, ...
数式で拘束の名前をパラメータとして使い、別の寸法拘束を定義することができます。
下記のブラケットの寸法は、半径rad1、距離d1、および角度ang1の寸法拘束によって制御されます。
穴の半径(rad2)と2番目の長さ(d2)は式で定義されます。
幾何拘束によって、2番目の長さとその中の穴の幅が1番目の長さと等しくなります。
式で使用する演算子
以下の演算子を式で使用することができます。
演算子 | 説明 |
---|---|
+ | 加法 |
- | 減法、マイナス |
* | 乗法 |
/ | 除法 |
^ | 累乗法 |
% |
モジュロまたは剰除演算子 式”5 % 2”の結果は1となりますが、これは5を2で除算すると商が2、余りが1となるためです。 |
優先順位に関する一般的な数学規則に従い式の値が求められます。
- 括弧内の式は最も内側のセットが最初になります。
- 標準的な演算順序:
- 指数
- 乗法と除法
- 加法と減法
- 優先順位が同じ演算子は左から右へ処理されます。
式での関数の使用
以下の関数を式で使用することができます。
関数 | 構文 |
---|---|
正弦 | sin (式) |
余弦 | cos (式) |
正接 | tan (式) |
逆正弦 | asin (式) |
逆余弦 | acos (式) |
逆正接 | atan (式) |
双曲線正弦 | sinh (式) |
双曲線余弦 | cosh (式) |
双曲線正接 | tanh (式) |
逆双曲線正弦 | asinh (式) |
逆双曲線余弦 | acosh (式) |
逆双曲線正接 | atanh (式) |
平方根 | sqrt (式) |
符号関数(-1,0,1) | sign (式) |
整数に四捨五入 | round (式) |
小数点以下を切り捨て | trunc (式) |
切り捨て | floor (式) |
切り上げ | ceil (式) |
絶対値 | abs (式) |
最大値を持つ配列要素 | MAX(式1、式2)* |
最小値を持つ配列要素 | MIN(式1、式2)* |
度数をラジアンに変換 | d2r (式) |
ラジアンを度数に変換 | r2d (式) |
対数、ベースe | ln (式) |
10を底とする対数 | log(数式) |
指数、ベースe | exp (式) |
指数、底10 | exp10(式) |
べき関数 | pow(数式1;数式2)* |
0と1の間のランダム小数 | ランダム |
*区切り文字には、ご使用のシステムで規定されているカンマ( , )やセミコロン( ; )を使用してください。
パラメータの新規作成
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メカニカルブラウザパネルのパラメータを右クリックします。
コンテキストメニューが表示されます。
-
コンテキストメニューの新しいパラメータを追加を選択します。
新しいパラメータが作成されます。
-
新しいパラメータのプロパティを編集します。
上記のメカニカルブラウザパネルでの寸法拘束の編集の手順を参照してください。
- 定数Pi=3.14...とe=2.72...は数式の中で使うことができます。定数名は、パラメータ名や拘束名として使用することはできません。
- CLEANUNUSEDVARIABLESコマンドを使い、拘束式で使用されていないパラメータや寸法にリンクされていないパラメータを名前削除(パージ)することができます。