カスタムファイルの移行

概要

BricsCAD®では、図面作成を支援するためにさまざまなファイルが使われています。

  • BricsCAD®のインストールフォルダーのパスは、C:\Program Files\Bricsys\BricsCAD V25 ja_JPです。
  • これらのファイルは、デフォルトではBricsCAD®のSupportフォルダー(C:\Users\%username%\AppData\Roaming\ Bricsys\BricsCAD\V25x64\ja_JP\Support)に格納されています。
  • ユーザーファイルは特定のフォルダー(BricsCADユーザーファイルの記事を参照)に保存されます。

SETTINGSコマンドを使用すると、BricsCAD®の外観や操作方法を設定することができます。設定ダイアログボックスでは、サポートファイルのパス、外部参照のパス、プロッタの場所などをすべて設定できます。

カスタマイズダイアログボックスでは、メニュー、リボン、マウスボタンなどのユーザーインターフェース要素の動作を変更できます。

以下のカスタムファイルは、AutoCAD®BricsCAD®の以前のリリースから、ご使用のBricsCAD®に移行することができます:
  • 部分カスタマイズファイル:CUI、CUIXファイル
  • 線種
  • パターン
  • 図面テンプレート
  • 印刷ファイル
  • ツールパレット
  • コマンドエイリアス
  • シェイプファイル
  • LISPファイル

部分カスタマイズファイルの移行

CUIまたはCUIXファイルにより、カスタムワークスペースの全体または一部をロードして保存することができます。

重要: 移行できるのは部分カスタマイズファイルのみで、メインのCUIファイルやCUIXファイルは移行できません。
注:
  • CUIXファイルは、ユーザインタフェースに必要なすべてのファイルが圧縮されたパッケージです。
  • カスタマイズファイルのロード方法については、CUIファイルのロードとロード解除の記事を参照してください。

カスタム線種の移行

線種は、LINファイルから読み込まれます。AutoCAD®BricsCAD®では、どちらもLINファイルはSupportフォルダーに保存されています。LINファイルには、デフォルトでインチ/フィート用とISO用の2つのファイルがありますが、カスタム線種は別のLINファイルに保存することもできます。

インチ/フィート単位のカスタム線種の移行
AutoCAD®Supportフォルダーからコピー:テキストエディターでacad.linファイルを開き、User Defined Linetypesセクションまで下にスクロールします。カスタム線種の定義を選択してコピーします。

BricsCAD®Supportフォルダーへ貼り付け:テキストエディターでdefault.linファイルを開き、カスタム線種の定義を最下部に貼り付け、ファイルを保存して終了します。

メートル単位のカスタム線種の移行

AutoCAD®Supportフォルダーからコピー:テキストエディターでautocadiso.linを開き、User Defined Linetypesセクションまで下にスクロールします。カスタム線種の定義を選択してコピーします。

BricsCAD®Supportフォルダーへ貼り付け:テキストエディタでiso.linファイルを開き、カスタム線種の定義を最下部に貼り付け、ファイルを保存して終了します。

カスタム線種が、acad.linやacadiso.linとは別のLINファイルに保存されている場合は、そのファイルを BricsCAD®Supportフォルダーにコピーします。線種をロードダイアログボックスでは、このファイルからBricsCAD®へロードします。

複雑な線種の場合、シェイプファイルの場所をSupportパスに設定するため、SHXファイルまたは SHPファイルをBricsCAD®Supportフォルダーにコピーしてください。

注: LINETYPEコマンドを起動して、線種が正常に移行されているかどうかを確認します。

カスタムハッチングパターンの移行

PATファイルは、ハッチングパターンと読み取り場所を定義しているファイルです。AutoCAD®およびBricsCAD®のどちらも、既定ではSupportフォルダーに格納されています。デフォルトでインチ/フィート用とISO用の2つのファイルがありますが、カスタムハッチングパターンは別のPATファイルに保存することもできます。

インチ/フィート単位のハッチングパターンの移行

AutoCAD®Supportフォルダーからコピー:テキストエディターでacad.patファイルを開き、User Defined Hatch Patternsセクションまで下にスクロールします。カスタムハッチングパターンの定義を選択してコピーします。

BricsCAD®Supportフォルダーへ貼り付け:テキストエディターでdefault.patファイルを開き、カスタムハッチングパターンの定義を最下部に貼り付け、ファイルを保存して終了します。

メートル単位のハッチングパターンの移行

AutoCAD®Supportフォルダーからコピー:テキストエディターでacadiso.patファイルを開き、User Defined Hatch Patternsセクションまで下にスクロールします。カスタムハッチングパターンの定義を選択してコピーします。

BricsCAD®Supportフォルダーへ貼り付け:テキストエディターでiso.patファイルを開き、カスタムハッチングパターンの定義を最下部に貼り付け、ファイルを保存して終了します。

他のファイルに保存されているカスタムハッチングパターン定義の移行
次のいずれかを選択します:
  • ファイルをBricsCAD®Supportフォルダーに配置します。
  • 設定ダイアログボックスのファイルサーチパスセクション(SRCHPATHシステム変数)で、使用するPATファイルの場所を追加します。
注: HATCHコマンドを起動し、種類フィールドで定義済みまたはカスタムを選択し、ハッチングパターンが正常に移行されていることを確認してください(詳細は、ハッチングとグラデーションの記事を参照)。

カスタム図面テンプレートの移行

テンプレート図面とは、ファイル拡張子がDWTのファイルです(テンプレート図面 の記事を参照)。事前に図面テンプレートをローカライズしてコピーしておきます。

AutoCAD®では、OPTIONSコマンドを起動してファイルタブをクリックし、テンプレート設定セクションへ行き、図面テンプレートファイルの場所を確認します。

BricsCAD®では、TEMPLATEFOLDERコマンドを起動してファイルパスを確認します。

注: DWTファイルが正常に移行されたかどうかをテストするには、スタートページでもっと...ボタンをクリックします。

カスタム印刷スタイルの移行

名前の付いた印刷スタイルテーブル(STB)や色従属印刷スタイルテーブル(CTB)の移行

AutoCAD®からコピー:STYLESMANAGERコマンドを起動してPlotStylesフォルダーを開き、ファイルをコピーします。

BricsCAD®へ貼り付け:STYLESMANAGERコマンドを起動してPlotStylesフォルダーを開き、ファイルを貼り付けます。

注: PLOTコマンドを起動して、ファイルが移行されていることを確認します。印刷ダイアログボックスが表示されたら、印刷スタイルテーブルドロップダウンリストをクリックして、移行したファイルを表示します。図面ごとに、CTBまたはSTBのどちらかの印刷スタイルを使用できるため、印刷スタイルテーブルは現在の図面印刷スタイルモードに基づいて表示されます(CONVERTPSTYLES [印刷スタイル変換]の記事を参照)。
プロッタ環境設定ファイル(PC3)の移行

AutoCAD®からコピー:PLOTTERMANAGERコマンドを起動してPlottersフォルダーを開き、ファイルをコピーします。

BricsCAD®へ貼り付け:PLOTTERMANAGERコマンドを起動してPlotConfigフォルダーを開き、ファイルを貼り付けます。

注: ファイルが移行されているかどうか確認するには、PLOTコマンドを起動します。印刷ダイアログボックスが表示されたら、プリンタ/プロッタの設定フィールドのドロップダウンボタンをクリックして、移行したファイルを表示します。

カスタムツールパレットの移行

タブ付きパネルに格納されたツールパレットに、ブロックやハッチングやコマンドを追加することができます(ツールパレットの操作の記事を参照)。XTPファイル形式に加えて、BricsCAD®ではATCおよびBTCパレットファイルを読み込むこともできます。ATCファイルにはパレット情報が含まれており、新規にツールパレットをカスタマイズすると自動的に作成されます。BricsCAD®でATCファイルに相当するのはBTCファイルです。

AutoCAD®から書き出し:TOOLPALETTESコマンドを起動して、ツールパレットパネルを開きます。パネルを右クリックし、パレットのカスタマイズ...を選択してカスタマイズダイアログボックスを表示します。次に、目的のカスタムパレットを右クリックし、書き出し...オプションを選択して パレットの書き出しダイアログボックスを開きます。ファイルをXTPファイルとして保存します。

BricsCAD®へ読み込み:TOOLPALETTESコマンドを起動して、ツールパレットパネルを開きます。パネルを右クリックし、パレットをカスタマイズ...を選択してカスタマイズダイアログボックスを表示します。次に、目的のパレットを右クリックし、読み込みオプションを選択してパレットを読み込みダイアログボックスを開きます。読み込むカスタムパレットを含むXTPファイルを選択します。

注:
  • パレットのツールを右クリックしてプロパティを選択すると、プロパティも正常に移行されていることを確認することができます。
  • BricsCAD®Supportフォルダーにカスタムツールパレット用の別のフォルダーを作成し、そこにXTPファイルを保存することをお勧めします。

カスタムコマンドのエイリアスの移行

コマンドエイリアスはBricsCAD®のコマンドの別名で、PGPファイルに保存されます(コマンドエイリアスの記事を参照)。

AutoCAD®Supportフォルダーからコピー:テキストエディタでacad.pgpファイルを開き、ユーザ定義コマンドエイリアスセクションまで下へスクロールします。カスタムコマンドエイリアスの定義を選択し、コピーします。

BricsCAD®Supportフォルダーへ貼り付け:テキストエディターでdefault.pgpファイルを開き、カスタムコマンドエイリアスの定義を最下部に貼り付け、ファイルを保存して終了します。

カスタムシェイプファイルの移行

シェイプファイルは通常、AutoCAD®BricsCAD®のどちらでもSupportフォルダーに保存されます。AutoCAD®Supportフォルダーからシェイプファイルをコピーし、BricsCAD®Supportフォルダーに貼り付けます。

注: SHPファイルとSHXファイルの両方をコピーしてください。

LISPファイルの移行

BricsCAD®AutoCAD® AutoLISPと互換性があるため、LSPファイルをロードして実行することができます。ただし、VLXおよびFASファイル形式は、AutoCAD®に特定の暗号化されたLISPファイルなので、BricsCAD®にロードすることはできません(Lispの記事を参照)。

AutoCAD®BricsCAD®のどちらも、LISPファイルはインストールフォルダー内のSupportフォルダーにあります。BricsCAD®では、このフォルダーへのパスは、C:\Program Files\Bricsys\BricsCAD V25 ja_JP\Supportです。

AutoCAD®Supportフォルダーには、acad.lspとacaddoc.lspの2つのLISPファイルが自動的にロードされます。BricsCAD®Supportフォルダーで、これら2つのLISPファイルに相当するものがon_start_default.lspとon_doc_load_default.lspです。

重要: on_start_default.lspとon_doc_load_default.lspの編集は推奨していません。代わりに、on_start.lsp と on_doc_load.lsp という名前で2つのファイルを新規に作成してください。
ACAD.LSP から ON_START.LSP への移行
AutoCAD®Supportフォルダーからコピー:テキストエディタでacad.lspファイルを開き、カスタムコンテンツをクリップボードにコピーします。

BricsCAD®Supportフォルダーへ貼り付け:テキストエディタで新規にon_start.lspという名前のファイルを作成し、クリップボードからカスタムコンテンツを貼り付けて保存します。

ACADDOC.LSP から ON_DOC_LOAD.LSP への移行
AutoCAD®Supportフォルダーからコピー:テキストエディタでacaddoc.lspファイルを開き、カスタムコンテンツをクリップボードにコピーします。

BricsCAD®Supportフォルダーへ貼り付け:テキストエディタで新規にon_doc_load.lspという名前のファイルを作成し、クリップボードからカスタムコンテンツを貼り付けて保存します。

注:
  • AutoCAD®と同様に、デフォルトではon_start.lspファイルとon_doc_load.lspファイルはセッションごとにロードされますが、ACADLSPASDOCシステム変数を1に設定すると、図面ごとにロードすることもできます。
  • LISPルーチンをロードするもう一つの方法は、APPLOADコマンドを使用する方法です。コマンドを実行すると、アプリケーションファイルをロードダイアログボックスが表示され、BricsCAD®で実行するアプリケーションファイルを選択できます。自動ロードオプションは、以降のBricsCAD®セッションでファイルを自動的にロードするかどうかを指定できます(詳細については、アプリケーションファイルをロードの記事を参照)。
暗号化されたVLXファイル、FASファイル、VLXプロジェクト(PRV)、FASプロジェクト(PRJ)の移行
BricsCAD®では、LISPファイルをDESファイル形式に暗号化するツールのDEScoder.exeを使用して、ファイルまたはプロジェクトにアクセスできます。

DESエンコーダーのパスは、C:\Program Files\Bricsys\BricsCAD V25 ja_JPです。

  1. エンコーダーを開きます。
  2. SourceフィールドでLISPファイルを選択します。
  3. Targetフィールドの横にあるConvert selected source Lisp file into DES encrypted fileボタンをクリックします。
  4. DESファイルの変換が完了したら、BricsCAD®Supportフォルダー(C:\Program Files\Bricsys\BricsCAD V25 ja_JP\Support)にコピーします。
注: ファイルが正常にロードされたかどうかを確認するには、BricsCAD®を開き、コマンドラインに(vl-list-loaded-lisp)と入力します。

BricsCAD®の以前のリリースからの移行

移行の自動処理

更新後に初めてBricsCAD®を起動すると、BricsCAD®のインストールフォルダーのUserDataCacheサブフォルダーの内容が、ユーザーのファイルフォルダーの内容と比較されます。フォルダーにカスタムファイルがあり、UserDataCacheフォルダーの中の対応するファイルが1つでも新しい場合は、 BricsCADユーザーファイルマネージャーダイアログボックスが表示されます。ファイルを保持するか、最新バージョンで上書きするかを選択できます。

手動による設定

BricsCAD®の以前のリリースからカスタムファイルを手動で読み込む場合は、上記の各ファイルタイプごとの説明に従ってください。

注: この場合、ファイルは、BricsCAD®の以前のリリースから新しいBricsCAD®のリリースへ移行されます。