光源
光源は、閲覧者にリアルな場面だと感じさせる重要な要素です。
光源用語集
- アンビエントライト:不特定の光源からの光。
- 遠方光:限りなく遠い光源からの光です。これにより、場面全体が同じ方向から照らされることになります。
- 減衰:光源から離れるほどに明るさが減衰する、または減少すること。
- 点光源:中央から全方向に伸びる光。
- スポットライト:特定のエリアに向けられる光。
- 配光光源:光の強さを3次元的に表現することで、現実の光の分布を近似しています。LIGHTINGUNITSシステム変数が1 (アメリカの照明単位) または2 (国際照明単位) に設定されている場合のみ、配光光源を作成することができます。
- 減衰:光源から離れるほど明るさが落ちます。
システム変数
LIGHTINGUNITS (照明単位):
- 0:汎用照明 - このオプションは廃止され、設定できなくなりましたが、古い図面で使用されている可能性があります。
- 1:米国単位 (foot-candles) を使用したフォトメトリックライトを可能にします。
- 2:国際単位 (lux) を使用したフォトメトリックライトを使用可能にします
DEFAULTLIGHTING (デフォルトの照明):ビュー方向の遠距離光源です。ビューポートごとに個別に設定できます。
- 0:他のライトがオンになっていない場合にデフォルトの照明を使用します。
- 1:図面内で定義された光源の代わりにデフォルトの照明を使用します。
LINEARCONTRAST (コントラスト):アンビエント光源強度の尺度係数を指定します。設定できる値は -10 ~ 10 です。設定値を -10 にするとアンビエント光源強度が最大になり、10 を指定するとアンビエント光源強度なしになります。
LINEARBRIGHTNESS (輝度):光源強度の尺度係数を指定します。設定できる値は -10 ~ 10 です。デフォルト値は0 (ノンスケール) です。負値を指定すると光強度が弱くなり、正値を指定すると光強度が強くなります。ビューポートごとに個別に設定できます。
LIGHTGLYPHDISPLAY (光源グリフの表示):光源グリフの表示をコントロールします。
FBXEXPORTLIGHTS (Fbx 書き出し光源):モデル空間から光源を書き出すかどうかを指定します。
一般的なプロパティ
一般的なプロパティはすべての光源で共通です。
- 名前:光源の名前を指定します。
- 種類:光源の種類 (スポット、点、ウェブ、距離) を定義します。
- オン/オフ:光源をオンにするかオフにするか指定します。
- 影:光で影ができるかどうか指定します。パフォーマンスを向上したい場合は、影をオフにしてください。
- 強度係数:光度プロパティを倍数で大きくします。値を変更すると、光度の表示が更新されます。
- フィルター色:光源の色を定義します。
- 浮彫印刷:オンにすると、光源グリフが印刷されます。
- 浮彫表示:光源記号の表示をコントロールします。
フォトメトリックプロパティ
LIGHTINGUNITS = 1 (米国単位) または 2 (国際単位)
- 光度:光源の輝度を定義します。光度は、国際単位系 (SI) に基づく光度単位カンデラ (cd) で表されます。これは、光源の特定方向への出力を光度関数 (さまざまな波長に対するヒトの目の感度の標準モデルであり、比視感度とも言います) で重み付けしています。
- 結果の光度:光度に強度係数を掛けた結果です。
- 光の色:光源の色、色温度 (単位 ケルビン[K])、または標準を定義します。
色温度 光の色一覧 - 結果の色:光の色とフィルター色を組み合わせた、最終的な光源色です。
- フォトメトリック配光:光源の種類を配光にした場合、フォトメトリック配光と配光オフセットプロパティが表示されます。(未実装)
形状プロパティ
- 位置:光源の位置をコントロールします。
- 目標:点光源、スポットライトとウェブライトの対象位置を定義します。
- 対象:目標プロパティのオン/オフを切り替えます。
減衰プロパティ
現実の世界では、オブジェクトは光源から遠く離れるほどより暗く見えます。減衰プロパティは、光が距離によってどのように減少するか指定します。減衰は、フォトメトリックの光源にあてはまりません。
光源が輝く距離をコントロールする代替方式は範囲を使用します。つまり光源の始点と終点を指定します。範囲を使用すると、シーンの照明を計算するのに必要な時間を減らせます。
減衰プロパティはスポットライトとポイントライトに適用されます。
- 種類:
- なし:減衰なし。光源までの距離は影響を与えません。
- 逆線形比例:減衰は、光源からの線形距離の逆数です。つまり、光源から2単位離れた場所の光の強さは1/2、4単位離れた場所の光の強さは1/4になります。
- 逆2乗比例:減衰は、光源からの距離の2乗の逆数です。つまり2単位離れた場所の光の強さは1/4、4単位離れた場所の光の強さは1/16になります。
- 図面範囲:このプロパティを「はい」に設定すると、開始範囲オフセットと終了範囲オフセット欄が有効になります。
- 開始範囲オフセット:光源の中心から見て、光の始点を定義します。
- 終了範囲オフセット:光源の中心から見て、光の終点を定義します。
減衰なし | 逆比例減衰 | 逆2乗比例減衰 |
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![]() |
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- 減衰プロパティは、汎用照明のみに適用されます。(LIGHTINGUNITS = 0)
- 逆2乗比例減衰は、フォトメトリックライトに自動的に適用されます。(LIGHTINGUNITS = 1 または 2)
レンダリングされた影の詳細
- 種類:影の種類を設定します。
- シャープ (レイトレーシング):シャープなエッジの影になります。
- シャドウマップ (未対応、シャープ使用):非対応
- マップサイズ:影を計算するためのメモリ容量を指定します。マップサイズ欄をクリックし、ドロップダウンリストから値を選択します。(64/128/256/512/1024/2048/4096)
- ソフトネス:影マップのソフトネス値を設定します。1 ~ 10 の範囲で値を入力します。
- ソフト (サンプル):ソフトなエッジを持つリアルな影を生成します。
- サンプル:影のサンプリングサイズを設定します。
- レンダリング内で表示:レンダリング時の可視性を切り替えます。
- 形状:影の形状を設定します(線形、矩形、ディスク、円柱、球体)の4種類です。
スポットライト:ホットスポットとフォールオフのプロパティ
スポットライトでサーフェスを照らすと、照明が最大になる部分(ホットスポット = 1)ができ、その周囲に光度が弱くなる部分ができます。(フォールオフ = 2)

ホットスポット角度:中心の光円錐の角度 (ホットスポットを定義する)
フォールオフ角度:全光円錐の角度
ホットスポット角度 = 55、フォールオフ角度 = 60 | ホットスポット角度 = 30、フォールオフ角度 = 60 |
---|---|
![]() |
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ホットスポット角度とフォールオフ角度の差は、光度を弱くする部分を定義します。
フォールオフ角度とホットスポット角度がほぼ等しい場合、光円錐のエッジは若干シャープになります (左図)。
2つの角度の差が大きくなるほど、光円錐のエッジがソフトになります (右図)。
光源の管理
LIGHTLISTコマンドを実行すると、「図面エクスプローラ - 光源」ダイアログボックスが開きます。
ここでは以下のことができます:
- 新しい光源の作成
- 光源削除
- 図面の光源を選択
- 光源のオン/オフを切り替える
光源の作成
- 以下のいずれかの操作を行います:
- LIGHTコマンドを起動します。
- 図面エクスプローラ - 光源ダイアログボックスの新規(
)ボタンをクリックします。
プロンプト表示:光源種類を入力 [点 (P)/スポット (S)/ウェブ (W)/距離 (D)]: <スポット>:
光源の種類を指定します。
- 光源ツールバーのツールボタン、または 視覚化リボンタブをクリックします。
-
:スポットライト
-
:ポイントライト
-
:ディスタントライト
-
:ウェブライト
-
プロンプト表示:元の位置を指定<0,0,0>:
- 図面で1点を指定します。
プロンプト表示:対象の位置を指示<0,0,-10>:
- 図面で1点を指定します。
プロンプト表示:変更するオプションを入力 [名前 (N)/光度係数 (I)/ステータス (S)/測光 (P)/温点 (H)/低下 (F)/影 (W)/減衰 (A)/フィルター色 (C)/終了 (X)] <終了 (X)>:
-
光源のプロパティを指定します。
- 終了を選択してコマンドを終了し、光源を作成します。
LIGHTGLYPHDISPLAY = オンの場合、モデルに光のグリフが表示されます。
光源の編集
光源はプロパティパネルで編集できます。
- 以下のいずれかの方法で、図面上の光源を選択します。
- 光源のグリフをクリックします。
- 図面エクスプローラ-光源ダイアログで光源を選択し、右クリックしてコンテキストメニューから 図面の光源を選択を選択します。
選択した光源のプロパティがプロパティパネルに表示されます。
- プロパティを編集します。
- Escを押して終了します。
太陽のプロパティの定義
- SUNPROPERTIESコマンドを起動します。
「図面エクスプローラ - 光源」ダイアログが表示され、太陽プロパティが編集ペインに表示されます。
- プロパティを編集します。
地理的な場所の定義
- GEOGRAPHICLOCATIONコマンドを起動します。
地理的位置ダイアログボックスが開きます。
- (オプション) 図面内の地理的位置情報を保存 オプションを選択します。
- (オプション) 地図グリッド座標系を使用 オプションを選択します。
- 以下のいずれかの操作を行います:
- 緯度 と 経度 欄に位置の緯度と経度を入力し、それぞれの設定に適切な範囲を選択します。
- 場所を選択..ボタンをクリックし、都市とタイムゾーンを選択してOKボタンをクリックします。
- (オプション) 前のステップでタイムゾーンを選択しなかった場合は、タイムゾーン一覧から選択します。
- (オプション) 対応する座標 - 図面内の位置を指定します。
- 北方向を定義します。
- OKボタンをクリックします。